【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

未知なる深海へ 高井 研 =099=

2018-10-02 06:20:48 | 浪漫紀行・漫遊之譜

〇◎ 私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇

= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =

 青春を深海に掛けて=高井研=    12p黄色

 第6話  JAMSTECの拳―天帝編― 

◇◆ 「生命の起源」研究は別腹で! =3/3= ◆◇

頼れる黒眼鏡化学者

当時 「深海熱水」の分野では、「石橋の右に出る者はなし」と言われていてもおかしくはなかったはずで(今ではずいぶん前後左右に雨後の筍のごとく出没を許しているようだが)、それなりに偉ぶっていても良かったはずだが、本格的な深海熱水研究を始めて1年ちょっとのモノ知らずの微生物学研究者だったボクに、石橋さんはものすごくフランクに濃密な議論をしてくれたんだ。

 「ボクの研究結果によると、深海熱水における微生物生態系の多様性は、その熱水の化学条件と深く相関していると思うんです。熱水の化学とか地質条件から、微生物や生物の棲み分けを説明できませんかね~?」とボクが聞いたとき、石橋さんは「それこそ、ボクら熱水化学者がずっとやりたいと思っていることの一つなんだよ~。多分それが真実だと思うんだよ。でも実証が難しいんだよね~」と答えたんだ。

 ボクは瞬間的に本能として「この人はイイ人だ、そしていい研究者だ」と感じた。石橋さんの理解力、包容力、結果の解釈に対する誠実さ、そして科学の真実の前ではあらゆる研究者は対等であるという考え、をすぐに感じ取って大好きになった。

 その時は議論だけで終わったけれども、その後、ボクのアメリカ留学中に石橋さんからEメールが届いた。

2000年から日本で、「アーキアンパーク計画」という大きな分野横断型研究が始まる可能性があるので、ぜひ高井さんも参画しませんか? というメールだった。

 海底下に原始生命の子孫を探す

アーキアンパーク計画というのは、「深海熱水の地下には、原始生命の子孫であろう古細菌(アーキア)が、現在もなお繁栄している生物圏(パーク)が残されている」という仮説を、実際の海底熱水掘削を通じて検証しようとする研究プロジェクトだった。その仮説を映画「ジュラシックパーク」になぞらえて「アーキアンパーク」と名付けたのだった(終了した研究プロジェクトなので、ホームページは閉鎖されているようですが、ココに行けば計画の概要の動画が見られます

 ボクは「うおー、これは絶妙のキラーパス」と思った。その研究プロジェクトの目指すところは、ずっと挑戦したいと思っていた「深海熱水から地球生命は誕生した」という大きな研究テーマと同じ方向性だった。さらに、分野横断型研究を目指している点でも、主食研究「深海熱水における微生物生態系の多様性が、熱水の化学条件によってコントロールされていること」を進める上で、ぴったりだった。

というわけで、日本に帰国したボクの「次、どーする」は、数年間は「アーキアンパーク計画」に関与しながら、主食である日本や世界の様々な深海熱水における微生物生態系の多様性を明らかにしつつ、その熱水の化学的性質や地理的・地質学的特徴などとの関わりを探ろう、そうしよう、にほぼ決まった。

 アーキアンパーク計画は深海熱水域の海底下(地下)を対象としていたので、JAMSTECの地下生命圏研究としてもごまかしが効く、というか、そのものじゃないか。ウッシッシ。 JAMSTECの地下生命圏研究そのもの・・・。実はそれが、運命のいたずらを引き起こしたんだ。 ……続く

 

母船「よこすか」と潜水調査船「しんかい6500」 (6/6)

ゲームのコントローラのような操縦装置

 ええ? なんです、この、カラオケのリモコンにケーブルがつながっているような、ゲームのコントローラーのようなものは。 「これで、しんかい6500を操縦するんです」 ・・・・・・えええ? これで? これで、こんなに大きなものを動かすんですか?

「そうです。このスライダーで主推進器の出力を調整して、このダイヤルで水平スラスタを調整します」

 主推進器とは、しんかい6500の後部に2つついたプロペラのことである。これが回れば回るほど、前へ進む。機動性を高めるためにと2つになったのは、2012年3月。それまでは、中央に大きなものがひとつあった。ほかにも、しんかい6500には、完成時と比べて改良が加えられた部分がたくさんある。

 1989年生まれのしんかい6500は、日々、変化を重ねているのだ。

 今も、主推進器がひとつの、古い型のしんかい6500のプラモデル、売ってるんですよね、などとナショジオ編集部Y尾が言っている。なお、ライターK瀬はY尾のつくったしんかい6500のプラモデル(主推進器がふたつのタイプ)を見たことがあります。

 水平スラスタは、船体の前方と後方、計2箇所にある、横方向に貫通した穴に取り付けられた横を向いたプロペラである。これによって、船体を横移動させたり、その場で向きを変えたりする。

 しんかい6500には、もう1種類、スラスタがある。垂直スラスタだ。 これは、船体の左右中央部に、縦に刺さった筒にプロペラが付いており、上下方向の運動制御に使われる。

 パイロットにもよるそうだが、小倉さんは、あまり自分ではリモコンを操作しない。つまりしんかい6500を直接は操縦しない。

「指示を出して、コパイに操作させることが多いです」  コパイとはコパイロット、すなわち、副船長だ。

「自分で操作すると、指に力が入ってしまうというか、実際より回転数を上げてしまうような気がするので」 指示は「前進100回転」など、モーターの毎分の回転数で出す。

 さて、定員3人のしんかい6500には、パイロットと、コパイロットが搭乗する。残りの席は1つ。そこに乗るのは誰かというと……。

「お客さんですね」

 つまり、主に研究者。パイロットたちの仕事は、お客さんの行きたいところへ、安心安全に送り迎えし、滞在先でのリクエストに応えることなのだ。

・・・・・・・・つづく・・・・・・・

動画 : 極限に生きる微生物

  

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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